無線LANのデータ化け

作成日:2025/08/23
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通常、イーサネット通信ではデータの誤り検出機能が実装されているため、伝送中にデータが破損した場合はデータが再送されるようになっています。 無線LANにおいても同様で、通常は伝送中にデータが破損した場合は自動再送するようになっています。 しかしながら、一部の無線APではこの機能がうまく働かず、データが破損したまま届くことがありました。


NETGEAR R7800の場合

米国のネットワーク機器メーカでNETGEARという会社があります。この会社のR7800という無線ルータは、ファームウェアのバグによりデータ破損が発生します。私の場合は、無線LANで接続されたPCから有線LANで接続されたPCのsmb共有フォルダにデータをコピーするとき、原因不明のファイル破損が頻発して発覚しました。具体的な破損事例としては、jpgファイルの下半分だけ描画されない、pdfが開けなくなる、zipファイルが解凍できなくなる等が確認されました。当時、廃棄するPCから新PCへのデータ移行を行っていたため、データ破損に気付いたときには旧PCはオリジナルデータとともに破棄されてしまっており、非常に難儀したのを覚えています。

TP-Linkのような中華メーカの廉価品ならともかく、ハイエンド製品でこのようなバグがあるというのは信じがたいものです。結局それ以降でNETGEAR製品を買うのは極力避けています。


2010年代の民生用無線LANルータの場合

私は学生時代に映像部に所属していました。主な活動は文化祭や学内定期演奏会の記録DVDの制作で、平日は部室で編集作業を行っていましたが、休日や長期休暇中は各自の自宅で編集を行い、そのデータをFTPサーバで共有して作業を行っていました。このFTPサーバは私の自宅にあり、まだ大容量クラウドが無い時代でも1TBの容量を確保できていました。このような環境で、各部員で編集が終わったデータをFTPサーバに上げてもらっていたのですが、ある部員がアップするデータだけオーサリング中にエラーが出るのです。エラーが出るたび当該部員にアップロードを再度するよう依頼をしていたのですが、それもやはりエラーになります。結局、よく聞くとその部員は無線LANでネット接続をしていたことが分かり、有線LANで接続するように依頼するとエラーはぱったり無くなりました。どうも無線LANルータが原因でデータが破損していたようです。その部員の使っていた無線LANルータのメーカや型式は、結局聞きそびれてしまいました。


データ化けの対症療法

伝送中のデータ化けを防ぐことができない場合、伝送したいデータを予めパスワード付きzipにしてから伝送するという対症療法があります。こうしておくと、もしデータが化けていた場合はzipの解凍ができなくなるためすぐ気付くことができます。パスワード無しzipでは、データ破損があってもなんとなく解凍できてしまうことがあり、誤り検出としての機能は弱いです。