スマートホームデバイスと無線AP

作成日:2024/07/14
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スマートホームデバイスとは、インターネット等を経由して住宅設備(照明・空調など)や家電製品を遠隔制御するものです。
2010年代後半より広く普及するようになり、名前は聞いたことがあるという人が多いのではないでしょうか。
私の住居でも2024年にスマートホームデバイスを導入し、現在では16台のデバイスが稼働しています。
外出先や寝床であっても家中の設備を遠隔で操作できたり、タイマー等による自動運転制御ができるため、
利便性が高い生活を享受しています。
しかしながら、スマートホームデバイスはWiFi経由で動作することから、特に無線APの負荷が非常に大きくなりがちです。
そこで、無線APの高負荷に起因するトラブルと対策について説明していきたいと思います。


スマートホームデバイスの増加と無線APのパンク

以前より自動カーテン開閉装置に興味がありましたが、どの製品も高価で導入に二の足を踏んでおりました。
しかしながら、2024/4にSwitchbotのカーテン自動開閉装置が約6,000円という比較的安価で販売されているのを見つけ、
導入したのがきっかけでした。この導入にて非常に良好な結果を得られたことからスマートコンセント、
スマート電球、ロボット掃除機などを順次増やし、現在では16台のデバイスが稼働しています。

Switchbot機器の大量導入により、無線APに常時接続される子機は既存のPCやスマホなどを含めると20台以上となりました。
当時はNECのWG2600HSを使用していましたが、カタログによると推奨子機台数は18台であったのでスペックオーバーの状況です。

やがて、無線接続が切れるという事象が頻繁に発生するようになりました。ノートPCやスマホといった無線機器のWiFi接続が頻繁に
リンクダウンし、その度接続し直すという手間が発生するようになり、非常にストレスが高まりました(笑)。
また、Switchbot機器(スマート電球など)もアプリ操作に反応しないことが多々ありました。当初は無線APが原因とは
思ってもいなかったので、中華製品だしこんなもんだと思っていました。


業務用無線APの導入

無線APの負荷軽減策としてまず考えられたのは、無線APの増設です。しかしながら、集合住宅では既に2.4GHz帯は過密状況
であり、むやみに無線APを増やしてチャネル混雑度を悪化させても仕方がありません。
そこで、子機台数が増加しても安定動作が可能な業務用APの導入を検討しました。

選定基準として、既にヤマハのルータを設置していることからAPについてもヤマハ製品を選ぶことにしました。
また、新品は大幅な予算オーバーとなることから中古品とし、その中でも性能が優れている「WLX402」を購入しました。

▲メルカリで1.5万円ほどであった
・WLX402の主要定格
項目 数値
通信速度

2.4G:300Mbps

5G:1.7Gbps

子機台数

2.4G:最大50台

5G:最大50台


通信状況の改善

WLX402は、各帯域ごとに50台の子機を接続することが可能です。このため、高々20台程度を接続したところで
全く問題なく動作しており、無線切断やSwitchbot機器の不応動といったトラブルは皆無となりました。

また、業務用装置ならではの機能として、子機の通信状況を監視できる「見える化ツール」があります。
これを参考にすることで、APの位置や角度を的確に調整することができます。

WLX402を始めとする業務用APは、中古であっても非常に値が張りますが(民生用APが新品で何個も買える)、
価格に見合うだけの価値は確実にあります。スマートホームデバイスが増えたことで無線LANのトラブルを
抱えているという方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。