電子工作シャーシモデリングのコツ

作成日:2024/04/06
更新日:-

3Dプリンタにより電子工作用シャーシを製作すると、以下のメリットを享受できます。

このため、自分の場合ではタカチのケースを買うことは少なくなり大抵の作品のシャーシは3Dプリンタ製となりました。
しかしながら、3Dプリンタ製シャーシには以下の弱点もあります。
このうち強度については、以下の設計テクニックにより簡単に改善することができます。


断面急変とは

断面急変とは、モデルをX軸・Y軸・Z軸方向に順次スライスしたとき、断面構造が急に変化することを指します。
以下のケースのモデルにて確認してみましょう。

▲ある電子工作で使用したケースのモデル

このとき、ケース手前から奥に向かって輪切りにしたとき、壁が立ち上がる面にて
断面がコの字から面に急変していることが分かります。

このような断面急変箇所には応力が集中しやすく、積層面に沿って剥離するなどのトラブルが起きがちです。


フィレットを付ける

断面急変の度合いを軽減させる方法として、フィレットを設けるというものがあります。
これは、角となる部分を曲線状に丸めることで、応力の集中を和らげて強度を確保するものです。
実際にフィレットを設けたモデルを見てみましょう。

▲左:フィレットなし 右:フィレットあり

フィレットを設けることで、非常に少ない樹脂材料増加で高い強度を付与することができ、
材料コスト低減・出力時間短縮の効果が得られます。


出典

設計サバイバルの合言葉は「断面急変」だ! ~先輩たちには内緒だぞ!~ | MONOist